文学について

日本ではエッセイというと気軽な散文といった意味に扱われる事が多い。同じ様な散文として随筆もあるが区別はされていない。だが芸能人のちょっとした散文といった印象がセッエイにはあるが、随筆は日本文学の重鎮や大家等が気軽に書き留めた文章といったイメージがある。簡単に言ってしまえばエッセイは日本国内においてはフランクなイメージの文章ととられる事が多いようだ。

 

しかし海外ではエッセイなるものは少し態が変わり深い思索を表した書き物として受け止められている。元々「エッセイ」はフランス語であり「試み」という意のフランス語である「essai」より来ているそうだ。1588年にフランスの思想家ミシェル・ド・モンテーニュが幅広い知識と教養からの視野で人間観察や人間探求を行った随想録「エセー」から端を発し、その後思索を文章で表現するというジャンルとしてエッセイは定着した。日本のリラックスしたい時や暇な時に読む作品といった印象とは異なり、こういった厳格な作品が語源である事を思うと興味深い。随筆という観点から挙げれば日本最古のエッセイは平安時代に清少納言によって書かれた「枕草子」である。

 

後世の文学にも大きな影響を与えた名著である。また「枕草子」を含み日本三大随筆とされているのは枕草子からおよそ100年後、吉田兼好の手により書かれた「徒然草」、もう100年後に鴨長明の手により書かれた方丈記である。しかしこの日本三大随筆を現代のエッセイの源流とするには内容がかけ離れている。現代エッセイの源流はそれより更に時を経た江戸中期である。

 

この頃になると日記風随筆が多く執筆され軽妙な要素含んだ文章であり現代のエッセイに通じるものがあるのだ。ちなみにエッセイの元祖となった作品「エセー」は日本三大随筆よりずっと後の作品である。日本のエッセイが軽妙洒脱の妙味を満ち合わせているのはこの歴史の深さならではであるかもしれないとそんな気がしてくる。以上、玉置実花でした。